アフィリエイトを始めようと調べていると、「捕まる」「違法」といった言葉が出てきて、手が止まっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、逮捕につながるかどうかは、文章の書き方よりも扱う案件でほぼ決まります。
この記事では、実際に逮捕された事例の共通点と、行政の対応で済んだ事例との違い、そして両者を分けている線を解説します。
捕まるかどうかはジャンルで決まる
アフィリエイトという仕組みそのものを禁じる法律はありません。紹介した商品が売れたら報酬を受け取る成果報酬型の広告で、企業が広告費を払う相手が代理店から個人に変わっただけです。
分かれ目は仕組みではなく、どの案件を選ぶかにあります。
逮捕まで進んだ事例を並べると、扱っていたものが2つに偏っています。賭博と健康食品です。文房具やガジェットを紹介していて逮捕された人は出てきません。同じ人が同じ文章力で書いたとしても、選んだ案件が違えば行き着く先が変わります。
表現をやわらかくすれば安全になる、という話でもありません。「効果には個人差があります」と書き足しても、禁じられている内容はそのまま残ります。
線を引いているのは表現ではなく案件です。
逮捕された事例に共通する3点
公表されている事例を並べると、逮捕された人たちには同じ特徴が出てきます。選んだ案件、書いた内容、関わり方の3つです。
読者が違反する側に回る案件だった
1つ目は賭博です。警察庁が公表している検挙事例には、海外のカジノサイトの運営者とアフィリエイト契約を結び、利用をすすめていた者が常習賭博ほう助罪で検挙された例が載っています。2025年8月には、オンラインカジノの紹介サイトを運営していた会社役員2人が同じ容疑で逮捕され、紹介サイト運営者の逮捕は全国初と報じられました(時事通信ほか)。
サプリを買った読者が罪に問われることはありませんが、カジノサイトに登録して賭ければ、読んだ人自身が賭博罪に問われます。犯罪になる行為に人を送り込めば、送った側は手助けをしたと見られます。
読者が罪に問われる案件では、書き手も同じ側に立つという構図です。
医薬品のような効能を書いていた
2つ目は健康食品です。2020年7月、大阪府警は健康食品の記事広告をめぐって6人を薬機法違反の疑いで逮捕しました。サプリメントの記事で肝臓の疾患に効くかのように書いた点が問題とされ、販売会社の社員に加えて広告代理店の社長らも逮捕されています。
商品を持っていない側まで届くのは、薬機法が「何人も」を対象にしているからです。罰則は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金で、両方が科されることもあります。
境目になるのは、商品ページに書かれている効能の範囲です。そこを超えた表現から、薬機法の話になります。
記事の中身を自分たちで決めていた
3つ目は関わり方です。紹介サイトの事例では、登録されたアカウントが約670、賭け金は約700億円、受け取った報酬は約2億円と報じられています。記事広告の事例でも、複数の会社が関わって記事が作られていました。
どちらも、案件を受けて書いただけの立場ではありません。何をどう書くかを自分たちで決め、規模の大きな収益を得ていた側です。
個人が1本の記事を書いたことで、いきなり逮捕につながった例は公表資料の中に見当たりません。逮捕という形になるのは、この3つが重なったときです。
行政の対応で止まる場合もある
効果をうたった記事が、すべて刑事事件になるわけではありません。行政の対応で収まった例もあります。無事なのは書き手のほうで、案件は止まります。
名前が公表されたのは販売会社
2021年3月、消費者庁は虚偽・誇大なアフィリエイト広告について初めての注意喚起を行いました。短期間でシミが確実に消えるかのような表示が問題とされ、名前が公表されたのは化粧品を販売していた2社です。
記事を書いたアフィリエイターの名前は出ていません。表示を作ったのが誰であっても、消費者に対して責任を負うのは商品を売っている側だという整理になっています。
ステマ規制の対象も広告主
広告だと分からない書き方をした場合も同じです。消費者庁はステルスマーケティングに関するQ&Aで、規制の対象は表示内容の決定に関与した広告主であり、依頼を受けて表示を行うアフィリエイターは対象外としています。
PR表記がない記事でも、罰を受けるのは書いた本人ではありません。処分されるのは広告主のほうです。
記事の中で線が動く場所
案件を選んだあとも、書き方しだいで扱いが変わる場所があります。広告になる位置、素材の出どころ、そして公開したままの過去記事です。
リンクを貼れば記事全体が広告になる
国民生活センターの解説では、商品名を出さずに一般的な効能を書くだけなら広告に当たらない一方、そこから特定の商品の購入ページへリンクを貼った場合は、全体として広告と判断されることがあるとされています。
アフィリエイト記事は、この形そのものです。前半を一般的な話として書き、末尾に商品リンクを置く構成は、広告の側に立ちます。
「個人の感想を書いただけ」という位置づけは、リンクを1本入れた時点で成り立たなくなります。効能に触れた文章がどう読まれるかは、リンクの有無で変わります。
転載は権利者が動いたときに表に出る
文化庁の著作権テキストでは、著作権を侵害する罪は、権利者の告訴がなければ起訴できない罪として整理されています。
賭博や薬機法と違い、取り締まる側が自分から動くわけではありません。権利を持つ人が気づいた時点で動き出すため、公開してから表に出るまでに時間差が生まれます。
そして、画像より文章のほうが判別しにくい分だけ厄介です。上位記事を開いたまま書けば、構成も言い回しも近づきます。似ているかどうかを決めるのは書いた本人ではなく、元の記事を持っている側です。
公開中の過去記事は今の記事として見られる
2025年9月25日に施行された改正ギャンブル等依存症対策基本法では、違法なオンラインギャンブルへ誘導する情報の発信が禁止行為になりました。警察庁が挙げている禁止行為の例には、まとめサイトを作ることも入っています。
見られるのは、記事を書いた時期ではなく、今表示されているかどうかです。法改正の前に書いた記事でも、公開が続いていれば現在の状態として扱われます。
記事を数百本抱えたブログでは、昔の判断がそのまま残ります。ジャンルの線引きは、新しく書く記事だけの話ではありません。

